EC業界でのVRが盛んだ。中国のアリババは、VRショッピング「BUY+」を昨年11月に正式リリース。まるで本物のショッピングモールに来てるようにVRショッピングを楽しめる。
VR上の商品を見つめるだけで、商品詳細を確認でき、会計時にはAlipayのVRpayで支払うことができる。その際も数字に焦点を合わせて、Passwordの挿入が可能。Passwordなしの支払方法の設定もできる。また、なんと、うなずくだけで決済も可能だという。
VRでのショッピングと現実のショッピングの差がなくなる上で、大きな違いの要素はなんであろうか。
もちろん、自宅にいながらにして、購入が可能という点は大きいが、意外に注目されているのが、VR上での決済である。リアルの買い物の場合、クレジットカードは決済可能残高が、すぐに分からず、カードでの購入を留まることがある。VRの場合、リアルに近い仮想空間上で自身のクレジットカード情報を閲覧しながら、購入が可能。クレジットカードの購入障壁を下げる可能性がある。
世界で利用される決済サービスを提供する企業、WorldpayもVR空間で使える決済サービスを研究している。VR上の臨場感の高い世界で、没入感があるまま商品を見せると購買意欲が増すという点と、クレジット決済のために、VRゴーグルを取るいう行為は、大きなカート離脱に繋がる恐れがあるためだ。Worldpayがデモ映像を公開した決済方法は、VR空間から出ることなく支払いを完了させられるもので、初めてで見たときでも、簡単に決済ができそうな感じがあるのは、筆者だけではないだろう。
2017年4月に発表された、みずほフィナンシャルグループと富士通による実証実験では、富士通が販売するVRプラットフォーム「zSpace」上で動作する金融サービスのデモコンテンツが窺い見ることができる。デモで女性が使っているのが、VRゴーグルではなく、卓上型 VRディスプレイ、偏光メガネ、スタイラスペンというのも、面白い。VR酔いを極力防ぐのが目的だという。
参考URL:http://pr.fujitsu.com/jp/news/2017/04/17-1.html
VR決済は、フィンテックやAR技術と連動して、三者三様で進められている印象を受ける。ユーザとの接触ポイントがまだ、絞りきれていないためだ。
VR市場が拡大すると、VR上での売れる商品、売れない商品が如実に見えてくる。加えて売れる接点もデータが取れてくるだろう。
その未来のビジョンが一番先に見えたプラットフォーム開発者が市場を創り、制することができるだろう。VRが進み、ユーザ人口の多い中国、アメリカが先行するのは、間違いないが、独自の視点で決済プラットフォームの研究を進める富士通にも今後、注目だ。