市場拡大は、予想通りにいかない。日本で流行らないと言われたiPhoneが、携帯電話のシェアを席巻し、流行ると言われ続けたVineは、終了に追いこまれた。
では、VRはどうなのか。
トレンドフォースの調査レポートによると、VRの市場規模は、2020年までに8兆4,000億円規模に到達すると試算されている。成長率でいうと、2016年から2020年にかけて84.4%成長するとも言われる。(リサーチ会社TechNavioの調査)
VRの認知度は非常に高く、市場が急速に成長する予測されるのもうなずける。
ただ、VRの使用用途は、現在、ゲームにかなり絞られている。ゲームを除く3D映像化の市場規模は、2015年でゲームの7分の1だ。VRのテーマパークが人気を博している現状も、それを頷かせる。
本日(2017年08月01日)、アドアーズは、同社が運営するVRエンターテインメント施設「VR PARK TOKYO」の総来場者数が5万人を突破したと発表。平日およそ70%、週末は90%近い稼働率を達成している。
参考サイト:VR PARK TOKYO
大企業が巨額な投資する中で、ゲーム以外の用途が目指す発展を促せるかが、今後の肝だ。VRの最大の課題は、VRヘッドセットが高額であるためと考える者もいる。
安定して、映像美、臨場感を楽しむには、ハコスコのような簡易的なヘッドセットでは、ユーザのほとんどは物足りなさを感じるのではないだろうか。だが、現在、高額なヘッドセットは一部のマニアでない限りそれほど購入には至っていないのが現状だ。
コンテンツとデバイスの問題をどう解決するかが、今後の鍵となる。
しかしながら、ヘッドセットの必要のないVR、3Dは存在する。屋内空間を3Dとして描くMatterportだ。Matterportは、すでにGoogleと提携し、屋内ストリートビューへの屋内3D画像を提供している。Matterportにアップされている3D空間ライブラリは、すでに50万箇所あまりにも拡大している。
ヘッドセットのいらない3D映像は、没入感は少ないものの、3Dの情報を正確に伝える上では、遜色ない。不動産のように、内装の詳細をみたいなど、没入感を必要としないケースにも向いている。重くて、高価なヘッドセットで首がまわらない状況で、見るよりも、ヘッドセットを必要としないで、気軽に閲覧できるVRは非常に需要が増すのではないか。
筆者はVRとヘッドセットがともに、市場を作っていくとは考えていない。それは、情報への接点はいつの時代も気軽に触れられた方が、一般ウケがいいからだ。テレビからスマホの動画へ時代が移るように、より手軽さをユーザは求めている。