ホテル、旅館の集客はこの20年で大きな変遷がありましたね。旅行代理店をベースにした集客から、楽天トラベル、じゃらんといったポータルサイトの登場、自社オンライン予約、HISなどの格安旅行代理サービス、そして、今ではAirbnb(https://www.airbnb.jp/)に代表されるシェアサービス。これだけ大きく集客の手法や潮流の変わった業界はなかなかないですよね。
HISなどの格安旅行代理店を除いて、これらの共通点となるのが、IT化だと思います。ユーザーが予約しやすい環境、条件などがITによって、WEBによって整備されてきたことによる影響が大きいと思われます。
では、次の波となるITツールを、ホテル業界は、何と捉えているのでしょうか?
海外ホテルでは始まり、一般化されているAI、VRの対応
2017年に開催された「Oracle Industry Connect」。この中で、発表された「Oracle Hotel 2025」(英語)の調査結果は実に興味深いものだったのです。
「Oracle Hotel 2025」
https://go.oracle.com/LP=48739?elqCampaignId=90838?SC=ccentral-oic-hotel-survey-2025
ちなみに、調査対象は、150名のホテル経営者と702名の消費者。
さっそくですが、調査結果をまとめると・・・
旅行ポータルサイトがもっとも意識しているパーソナライズ→顔認証技術
楽天などは早くから意識して取り組んでいるパーソナライズ。これを、リアルの場で実施することが集客のポイントになるという意識がでているんです!
ホテル運営会社の70%が、チェックイン時に宿泊客ひとりひとりをしっかりと認識・把握できるよう、今後5年以内に顔認証を採用する予定なんだとか。
顔認証ならば、確かに一瞬で顧客の情報を拾うことができますが、現実的なんでしょうか。それよりも、チェックインデータから、PCなどで、レコメンド情報が出てくるAIのほうが、パーソナライズとしては効果がありそうですよね。
ちなみに宿泊客の40%は、名前やポイントカードを提示しなくてもスタッフが自分を認識してくれるホテルを、今後も予約する可能性が高いと回答。
AIで顧客1人1人への提案
宿泊履歴に基づいたAIでのレコメンドサービスについては上述しましたが、この話は、調査の中でも触れられています。たとえば、履歴から料理などのサービスを提案する。これは非常に効率的としてとらえられていました。
VRでホテル施設ガイド&VRラウンジ、そして、スタッフ研修
宿泊客の66%が、VRによるホテル施設ガイドによって宿泊したくなると回答。さらに、44%がエンタメ性の高いVRラウンジのあるホテルでの宿泊を希望しているそうです。
すなわち、VR技術を用いることで、よりリアルに感じてもらえる環境を作ることが集客につながるという表れですね!
VRラウンジサービスについては、ホテル&映画の組み合わせも面白いですし、ホテル&リアルゲームなどの組み合わせも面白いですよね。今後、こういったコラボでの集客企画をどれだけ打ち出し、PRできるかは鍵ですよね。ちなみに、ホテル運営会社側の64%の人が、ホテル施設内のエンタメとしてVRの導入を検討し、カンファレンスルーム(宴会場や会議室など)の下見でも、63%の人がVRの導入を予定しているそうです。
また、驚きなのは、VRによるスタッフトレーニングの部分です。ホテル運営会社側の68%が、VRを使って、スタッフのトレーニングを検討しているそうです。どうやって訓練に使うのかは気になるところですが、確かに使えそうな気もしますよね。
リアル脱出ゲームなどのイベントでの集客がうまくいっている背景には、体験をホテルに求めている傾向にあるからだと思います。日本のホテル経営者の皆さんも、VRの導入には積極的にならないと、大手の力に負けてしまいますよ!!