完成前なのにマンションがバンバン売れる!?VRショールームが加速する中国

ショールーム

米リサーチ会社がゲーム市場におけるVR需要は、今後4年間で84%以上成長すると予測している通り、ゲームがVR市場を牽引することは間違いない。だが、一方で日本やアメリカ、西欧諸国と異なる動きをしている国がある。中国だ。

 

世界で最もVRを使用する国、中国の今

中国におけるVR機器出荷量は、2016年でおよそ60万台、2020年までは1,550万台に伸びると予測されている。莫大な人口を抱える分、中国が世界で最もVRを使用する国になることだろう。

中国でのVR市場の特徴は、その使用用途である。ゲーム、ビデオに限らず、教育、不動産、製造業、デザイン、医療などの領域においても、様々な試みが進められている。中国のVRメーカーは、各業界に積極的に関わり、協力を促す努力を惜しまない。

中国で活発化するVRを使った不動産ショールーム

中国の不動産業界では今、VR装置の利用が急速に広まりつつあり、中国のある会社では、海外の高額物件や、まだ完成していない物件の販促のためにVRを利用。完成後の物件を顧客に仮想空間で見せることで契約を成立させている。

【中国のVR内見】

参考URL:http://vr.51wofang.com/haiwai/house/details/8_rZ_c5zGjRSkfba

 

ショールームを作らないことが不動産価値を上げる!

完成前の物件でVRを活用するメリットは、土地・機材を必要とするショールームを構築する必要はなく、その分、コスト削減できる点である。削減できたコストを物件そのものに費やし、物件の価値を上げることが出来る。

日本の不動産業界では、ショールームの構築、集客に多額なコストがかかっており、それは、当たり前だが、消費者が負担する。このショールームへのコストをVRショールームによって削減し、削減分を物件の販売価格に反映させたり、物件価値を上げてくれるならば、消費者にもとても有り難い施策だ。

【中国の人気VR内見サイト】51wofang.com

 

不動産投資家に向けた海外物件のVR化

ここ数年、中国人富裕層がこぞって日本の不動産に投資していることが、たびたびメディアに報じられてきたが、対象はもちろん、日本だけではない。
海外不動産に対する中国本土からの投資は、近年では10.7億ドルに膨れ上がっているという調査報告もある。

大企業が投資での不動産購入が進んでいる中国で、VRは自然と受け入れられ、その利用価値を十分に享受している。

VRショールームは、技術だけでの派手な視覚体験によるエンターテイメントだけではなく、購買決定プロセスを一層スピードアップでき、海外投資家の多くが、異国の地の物件を検討する中で、VRは訪問先/購入先のエリア絞り込みの一助になると言われる。例えば、オーストラリアの物件を検討する場合は、まずは仮想空間で見てから、現地に行くことで無駄な時間を浪費せずに、時間を有効に使える。

中国人投資家向けの不動産販売で、VR化されていない物件は、検討者の目にも止まらず、ますます売れなくなっていくだろう。この流れは日本人の分譲マンション購入のフローにも、近い将来、影響を与えるだろう。

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